スタート代数 第1回

今日はスタート代数という勉強会を開催してきました. http://partake.in/events/989bf10a-d5f0-4fcc-ba1f-f152fe2f7072

「スタート」と頭に付いていますが, 懇切丁寧に教えるのではなく懇切丁寧にツッコミを入れる大学のゼミ形式でやってきました. 初めてこの形式に触れた人は驚いたかもしれませんが, ゼミ形式では発表者が理解を深めるのが目的となっています. ソースコードレビューを思い浮かべてもらえると感覚は理解できると思います.

なぜ体論からか?

通常, 代数を学ぶ際には「群」→「環」→「体」と進むのが普通です. でもそこで敢えて体論から始めるのには訳があります.

まず, 体が代数的対象の中で一番身近なこと. もちろん自然数や整数も使っていますが, 割り算が許されない数を扱う場面は少ないと思います.

第2に具体例が分かりやすいこと. 群の例として剰余群が出てきたり, 環の例として多項式環が出てきたりしますが,「これ使ってすごいことができるぜ」感が足りないのです. それに比べてガロア理論での「方程式の根の様子が分かっちまうぜ」の方が印象が強いと考えました.

もちろん群や環のことも少しは知らないと体の話ができないので, その部分については全力でバックアップしていってます.

結果報告

今回は3ページまで進み, 多項式とその根について語り始めるあたりで時間切れとなりました. 遅いように感じると思いますが, 確実な理解を得るためにはこれくらいのスピードになってしまうものです.

「抽象代数を理解するとは?」や「数学のゼミってどんなふうにやるの?」という, あまり知られていない (と思われる) ところが, 体験できたのではないでしょうか?

こちらに参加者の方の板書ノートが公開されています. http://lockerz.com/s/135335969

宿題

今日は宿題がいくつか出ていました.

  • 1のある可換環 R に対し, ∀a ∈ R, a0 = 0
  • 四元数体の逆元を計算せよ
  • ある可換とは限らない群において, ある元の逆元が1つしか存在しないことを示せ

どれもそう難しくないので挑戦してみてください. 1つ目の問題などは「R が可換で無かったらどうなるか?」「R に1が無かったらどうなるか?」「0の公理を削ってみたらどうなるか?」と色々といじってみると, 公理の必要性が分かると思います. (自分はこんなふうにして数学の抽象概念を理解していました.)

まとめ

内容はけっこうガチでやってしまったので, 次回何人参加するのか不安ではあります. また, 元々数学ができる人しか参加しないんじゃないか? という指摘もあると思います. しかし,「数学の抽象的な思考を知った上でプログラミングをする方が幸せになれる」と確信しているので, 今後も様々な方法で数学について知ってもらえるよう活動をしていきます.

  • Java 使いのための数学入門
  • Coq を使って知る数学

などなどできたら良いな, と思っています. だいぶ先の話ですが :P

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